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大沼公園-日本半周撮り鉄の旅/1970年3月25日 [函館本線]

青森から青函連絡船1便に乗って函館到着が4:20.十分な睡眠はとれませんでしたが,列車で寝るよりはゆっくり横になれたのでだいぶんましでした.函館からは,6:00発の121列車に乗り,大沼到着は6:55です.大沼に着いて少ししたとき,向かい側のホームに大沼駅で行き違う128列車が入ってきました.北海道に来て,早速C62に出会うことができました.

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▲128列車,C62 32.入線してくる気動車は623D.大沼駅.

まずは,この128列車,C62 32の発車シーンを撮影するところから開始です.

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▲128列車,C62 32.大沼駅発車.同じように発車を撮影するSLファンがいる.

北海道に来た理由はただ一つ,スワローエンゼルのついたC62の2号機を見たいためです.もちろんC62重連の急行ニセコを撮ることもありますが,神戸の鷹取工場で製造されたC62 2に会ってみたかった気持ちが強いです.

下の写真の623Dが待っているのは,次の126列車の到着です.ダイヤによると,126列車の方が128列車より先に大沼駅を出るのですが,ネガのコマでは順序が逆に写っています.私の列車番号の記録が違っているのかと何度も検討しましたが,C62の運用表(下に掲げています)を見ても128列車を引くのがC62になっており,ここに記述した列車番号で間違いないようです.これは未だに謎です.とりあえず,40年前の記録の通りの列車番号を記しておきます.

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▲126列車,D51 150.向かい側の気動車は623D.126列車の到着後発車する.

さて,いよいよ大沼駅を離れて,大沼国定公園内に撮影に入りますが,大沼公園の近くの函館本線は,路線が分かれていてとても複雑です.簡単に路線図を見ていただきましょう.

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▲大沼付近の函館本線路線図.分岐しているがすべて函館本線.列車によって走るところが違う.

函館から来た路線は七飯を出て二手に分かれます.このうち,東側(右側)は途中に駅がありません.列車ダイヤを見ると,ここは下り列車ばかりが通っています(夜間までは分かりませんが...).また多くは貨物列車と,渡島大野駅や仁山駅に止まらない急行や特急が通っています.一方西側の渡島大野-仁山を通る路線には上り下りとも走っています.普通列車の多くはこちらを通っているようです.そしてこれらが大沼駅で合流した後,ふたたび路線は駒ヶ岳の東側を通る路線と西側を通る路線に分かれます.それらは森駅の手前で合流し1本になります.

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▲列車番号不明.池田園-大沼.大沼の景色との色のコントラストに思わずシャッターを切った.

このように列車によって走るところが違うので,ここでの撮影には正確な列車ダイヤが必要で,それをしっかり見て動かないと撮り逃してしまいます.まずは190列車が池田園の方から大沼へやってきますので,駒ヶ岳がバックになるような位置へ移動しました.

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▲190列車.D51.機番不明.背景の山は駒ヶ岳.池田園ー大沼.
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▲190列車.D51.池田園ー大沼.

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▲上のカラー写真と同じ位置から200mmレンズで撮影.190列車.

函館本線には,C62以外にもD52が貨物列車に運用されています.力持ちのD52は長大な貨物列車を引いていますので,それをねらわない手はありません.少し後にこのD52の引く265列車が,七飯から東側の路線を通って大沼にやってきます.そこで,大沼駅-仁山間へ移動しました.途中,上りの264列車が通りましたので,大沼駅を通り過ぎたあたりで撮影しました.

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▲264列車.D51 695.大沼-仁山間.

上の写真は大沼駅に向かって撮ったものですが,線路は2本写っていて,列車は向かって右側を走っています.地図を見れば分かると思いますが,大沼から函館方面に出た路線はすぐに2つに分かれ,進行方向左に分かれた線路は,やがて右側に分かれた線路と交差して仁山の方に続きます.進行方向左ということは,逆の大沼駅に向かえば右側になりますから,この264列車は仁山の方に向かっていることになります.

大沼から西の方へ,併走している国道に沿って歩きながら265列車の撮影位置を探しました.望遠レンズでねらうとよさそうなところが見つかりましたので,265列車を待ちました.この位置は下り坂になるのか,滑るように貨物列車がやってきました.本当に長大な貨物列車です.

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▲265列車.D52 136.七飯-大沼.最後尾が写らないほど長い貨物列車である.

この写真にも線路が2本写っています.上の264列車とは逆向きにカメラを構えていますので,向かって右側の線路を走っているこの265列車は,七飯から東側をまわる線路を通ってきたことになります.

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▲265列車.D52 136.七飯-大沼.D52は本当に大きな機関車である.

次にやってくるのはやはり下り旅客229列車です.これは普通列車ですから仁山の方からやってきます.すぐ横を古い型の自動車が走っていますが,大沼から上りの線路沿いにはこの国道が走っておりアクセスは非常によかったです.

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▲229列車,D51 120.仁山-大沼.

次は上り貨物の252列車,そして少ししてから同じく上り貨物の278列車が通ります.278列車はD52が引いています.これらは上りですから,全部仁山の方を通ります.

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▲252列車,D51 340.大沼-仁山.七飯からの線路は向こう側で一段低くなっていて写っていません.

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▲278列車,D52 56.大沼-仁山.一段下に七飯へ通じる線路が見え,先の方でトンネルに入る.

今は大沼駅を上り方面に出て線路が2本平行に走っているところにいます.この場所は,分かれている函館本線が一つになっているところで,撮影の効率はいいのですが,何本かの列車を撮っていると同じような感じの写真ばかりになってしまいます.

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▲463列車.D52 202.七飯-大沼.

気がつくと,もう11時を回っていました.この後まだまだ続けてSL列車は通りますが,しばらくしたら急行ニセコが通過しますので,大沼公園の方に移動し,撮影場所を探すことにしました.写真のネガを見ると,このあと3時間ほど撮影していません.何本かのSL列車が走っているのですが,それを撮っていないということは,かなり苦労して場所を探したのだろうと思います.こういうところ記録に残していないのですね.次の写真は,6204D急行すずらん3号の写真をはさんで,大沼公園駅を14時過ぎに出る627D列車でした.

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▲627D列車,大沼公園-赤井川.手前が小沼.線路の向こう側に大沼が広がる.

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▲167列車,大沼公園-赤井川.D51.後方の山裾は横津岳のもの.

新しい撮影場所を決めて,いよいよ急行ニセコを待ちます.ニセコはC62重連で有名な急行列車ですが,このあたりを通るときはC62単機で引いています.いつのまにか何人かの鉄道ファンが,水位の下がった小沼の水際に入り込み,場所を取っています.627列車の写真では見られなかった人が,ニセコの写真には写り込んでいます.

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▲103列車,急行ニセコ.C62 32.大沼公園-赤井川.55mmレンズ.

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▲103列車,急行ニセコ.C62 32.大沼公園-赤井川.200mmレンズ.

呉線で安芸号を撮ったときもそうでしたが,どうも私は本命の列車になるとビビるのか,ピントが甘くなってしまいます.上の写真も望遠レンズの方がピントが合っていません.このことは明日も経験します(トホホ).ところで,こんなに遠いのに機番がC62 32だと分かるのは,機関車の運用表を持っているからです.ここで,運用表なるものを少し紹介しましょう.

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▲急行ニセコ関連の,小樽築港区C62運用表.103レ:下り急行ニセコ,104レ:上り急行ニセコ.

これを見ると,ニセコを引くC62は,小樽築港(機関区)を10:24に重連の状態で小樽駅へ向かって出発することが分かります.仕業番号41の機関車が重連の前に付いているC62です.一方仕業番号42のC62が本務機で,重連の状態では後側になります.これら重連のC62は小樽から上り急行ニセコ104レを引いて長万部まで行きます.ここで,前のC62が切り離されます.これはしばらく長万部にとどまって,下り急行ニセコを待ち,16:45にふたたび前部に連結されて重連で小樽に戻ります.小樽から小樽築港へは重連の状態のまま回送されます.

本務機の方は,長万部で切り離された後もニセコを引き函館まで行きます.その後は逆向きの単機回送で五稜郭操車場まで戻り,ここでしばらくの休憩です.夜中の2:50に,6263レの前補機となって森まで移動,そこから128レを引いて函館まで戻ります.この128列車こそこのページの一番最初に紹介した大沼駅のC62 32なのです.あと,たどっていけば,このC62が,同じ日の103列車急行ニセコを引いていることが分かります.ですから,上の写真はC62 32が引いているということになるのです.こういった機関車の運用表は,撮り鉄ファンには必須のアイテムです.

さて,下り車急行ニセコ103列車が大沼公園を通り過ぎたのは15:00ころで,しだいに日も傾いてきました.続いて上りの急行ニセコ104列車が通過します.今度は近くから普通にねらいました.

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▲104列車,急行ニセコ.C62 44.大沼公園-大沼.

場所をふたたび池田園の方に移動して,今日最後のSL列車をねらいます.次の124列車は池田園の方からやってきますので,急いで位置決めです.

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▲124列車,D51.池田園-大沼.

今日は青函連絡船に宿を取り,朝から動き回ってたいそう疲れました.今夜の宿泊地は大沼ユースホステルです.暖かい部屋でゆっくり休み,明日は長万部の方へ出かけます.
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岩見沢鷹&赤黒戦士

この年代の頃子供だった私はよく岩見沢駅構内に友人と無断で入り毎日のように機関車を観ていた頃を思い出し懐かしなから観させていただきました。m(__)m アリガトォ    これからも時々拝見させていただきますので宜しくお願いします。
by 岩見沢鷹&赤黒戦士 (2010-03-14 20:49) 

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