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伯備線のSL (3) 新見機関区/1970年2月11日 [伯備線]

この旅行の最後に,新見機関区を訪れました.

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▲機関庫に憩うD51,C58たち.

転車台のまわりに円形に配置された機関庫.こういった造りは,もう記念的の残されている場所でしか見ることはできません.ここには,門鉄デフをつけた,C58 175がいました.門鉄デフに雪かきという出で立ちはなかなかおもしろい組み合わせです.

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▲門鉄デフをつけたC58 175.

遠くで安全マークを付けたもう一台の門鉄デフ型のC58が,入れ換え作業をやっていました.

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▲もう一台の門鉄デフをつけたC58.

操車場の横の本線を,旅客924列車と,貨物列車が通り過ぎていきました.

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▲新見駅を出る924列車.C58 174.
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▲貨物列車.列車番号不明.C58 179.新見操車場.

その他,D51たちが休憩している姿がありました.

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▲D51 488.
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▲D51 236.

岡山駅で夜を明かし,一日中走り回って撮影したので,とても疲れました.つくづく,SL写真を撮影するのは体力が勝負だと感じました.せっかく現場に立っているのに,もうどうでもいいわ,という感じになるときがありますね.これで伯備線の旅は終わりました.次は近郊のSLたちを見に行くことを予定しています.

伯備線のSL (2) 新見駅付近/1970年2月11日 [伯備線]

布原-備中神代間を後にし,川面峠を越えて,ふたたび新見の方に戻ってきました.ますは新見駅を発車する6461列車です.新見駅を出てすぐの所で,記憶から消えてしまっていますが,線路近くの建物に上がって撮ったのだと思います(どう見てもこの位置で撮れるような地形がありません).

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▲新見駅を出る6461列車.D51 220.新見-布原.新見市猿木.
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▲上2枚:布原の方へ向かっていく6461列車.D51 220.新見-布原.遠景は新見市土井.

6461列車を見送った後,次にやってくるのは布原からの882列車で,C58が前後についた貨物列車です.新見側では下り坂になるので,煙もなく,滑るように走ってきました.

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▲882列車.C58+C58.布原-新見.新見市西方.

続いて,旅客822列車が,やはり布原からトンネルを抜けて坂を下ってきました.

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▲822列車,C58.布原-新見.新見市西方.

今度は923列車で,新見駅ずっとから登ってきますので,頑張る姿が撮れそうです.4両編成の旅客は,SL単機で牽引してます.

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▲923列車.D51 642.新見-布原.新見市西方.

連写はどんどんやってきます.今度は,上り494貨物列車で,D51の前補機重連です.前補機が一番絵になるのですが,新見側では下り坂.迫力はないけれど,煙で2番機が隠れる心配はありません.

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▲494列車 D51 386+D51 504.布原-新見.新見市西方.

今日の撮影では,このD51 386に何回も出会っています.三重連の先頭そして469列車の後につながっていたD51で,前や後につながって,難所の備中神代と新見の間を行ったり来たりしています.補機専門に運用になっているということでしょうね.さて次は,布原の方へ行くC58 323の引く旅客列車です.

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▲827列車,C58 323.新見-布原.新見市谷.遠くに茅葺き屋根の農家が見える.

これらの写真の風景は40年前の物ですから,今はどうなっているのか見当もつきません.また一度訪れて,風景の変化を見てみたい気がします.こういう体験は歳を取った者にしかできない特権ですね.さて,一日中楽しみましたが,この旅行の最後に新見機関区へ行く予定にしているので,次の452列車を最後に,本線を走る列車の撮影を終えることにしました.

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▲452列車,D51 651.坂道をすーっと下ってくる.布原-新見.新見市谷.

<次回へ続く>

伯備線のSL (1) 布原信号場/1970年2月11日 [伯備線]

この時代,各地に有名なSL撮影スポットがありましたが,伯備線の布原信号場もその一つでした.ここには,D51が三重連で走る定期列車があったからです.私もその当時の多くのSLファンの例に漏れず,ここを訪れました.

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▲492列車,D51三重連.D51 386+D51+D51.布原-新見間.

D51三重連は確かに魅力ですが,ここは山岳地帯で,それ以外にも多くの列車が補機を付けて走っています.また列車の本数が多く,本当に次々とSL列車が通過します.1日付近を歩けば,十分SLの世界を堪能できる所です.

さて,岡山から中国山地にかなり入った所にある布原にSLを効率よく見に行くためには,どうしても岡山で始発列車に乗る必要があります.暗くなってから家を出て,岡山に着く最終列車に乗ります.そして岡山駅で始発を待ちます.当時は駅が閉まることはありませんでした.ブルートレインが丑三つ時に岡山に着いていたからでしょうか.到着した岡山駅では,C11 79の引く貨物列車が停車していました.

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▲岡山駅に停車する貨物列車.C11 79.

布原は,新見の隣の駅です.岡山から行くと,姫路からの姫新線と合流したところが新見駅になりますが,布原はその新見の次の駅です.新見-布原-備中神代,と続きます.備中神代では広島からの芸備線が伯備線に合流します.ですからこの備中神代-新見間は,米子からの伯備線,広島からの芸備線,そして姫新線から伯備線に入るSL列車が次々と通る,SL銀座のようなところなのです.新見-備中神代間は,川面峠(こうもだわ)という峠(もっともここは伯備線はトンネルで抜けています)と阿哲峡と呼ばれる峡谷がある難所で,そのために列車の前後に補機がつき,重連,三重連の列車が数多く走ることになります.今日は,このあたりを歩きながらSLを撮影します.

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▲823列車,C58 -2?.機番が読めない.新見-布原間.

朝早く新見駅に到着し,そこで降りて,布原の方に歩き始めました.遠くにC58の引く旅客列車の汽笛が聞こえました.雪がうっすら残っている山間の田園地帯は,どこをとっても撮影適地という感じです.続いて逆向きのC58重連の貨物列車がやってきました.

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▲473列車,C58+C58.新見-布原間.

三重連の列車は結構早い時間に走るので,先を急ぎました.そして有名な三重連の撮影ポイントに来ました.数え切れないほどの多くの鉄道ファンが同じ場所で撮影したことでしょう.今ネットで検索しても,ここで撮った写真がいっぱい見つかります.三重連の前に,D51重連の2492列車が走ります.三重連の露払いですね.三重連の撮影練習にはもってこいです.

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▲2492列車.D51 376+D51.布原-新見間.一番上は布原信号場をまさに発車する2492レ.
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▲重連が真横を通り過ぎる迫力.

その後,程なくして,492列車が布原信号場に入り,発車のホイッスルが響き,遠くから三重連が走ってきました.勢いよく煙と蒸気を吐きながら走ってきます.とてもいい感じなのですが,いかんせん,予想撮影ポイントでは,蒸気のために機関車が隠れてしまい,三重連か何か分からなくなってしまいました.こういう失敗は良くあるのですね.播但線でもそうでした.三重連は,煙や蒸気がふくらむので3台目の機関車を入れるのが難しのです.でも三重連を撮る機会は,播但線生野峠のC58三重連のあとはもうありませんでした.

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▲布原信号場を出るところの492列車.2492レ重連に比べると吐く煙の量が少ない.
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▲492列車.D51 386.蒸気に隠れて分かりませんが,これはD51三重連.

来て早々目的の列車は通り過ぎましたので,あとはのんびりと通過する列車を撮影するだけになります.鉄道ファンたちも散らばって,思い思いの位置に移動し始めています.私も備中神代の方に向かって歩き始めました.布原信号場で停車する922列車を引くD51 749を,機関士さんを入れてアップで撮影しました.

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▲922列車.布原信号場に停車.D51 749.

布原信号場を通り過ぎてから,布原に入る921列車を遠くから撮影しました.ちょうど三重連撮影ポイントの反対側になります.

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▲921列車,C58.布原.後方遠くに見える鉄橋が三重連の撮影ポイントである.
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▲同じ921列車.C58.布原信号場を出て備中神代へ向かう.

少し歩き,多分布原から下り方面3つ目の鉄橋だと思います,そこで続いて後補機のついた,469列車を待ちました.この列車はD51が前と後に付いていますが,後のD51は386号機で,逆向きになって付いています.この後補機は,先の492列車,D51三重連の先頭車両D51 386そのものですね.多分新見で切り離されて,この469列車の最後部に接続されて,戻ってきたのです.

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▲469列車.先頭車両D51 746.布原-備中神代間.布原から下り3番目の橋.
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▲469列車.上:先頭車両D51 746,下:後補機D51 386.布原-備中神代間.

このあたりが阿哲峡の峡谷なのですが,急斜面に川があって,なかなか撮影には難しい場所です.そこで,布原から下り方面一つ目の鉄橋まで戻りました.この場所は遠くに布原を発車する列車が望め,通り過ぎてからもう一度撮影できるという,布原のもう一つのポイントで,ネット上で同じような写真が見られるところです.下の2枚目と3枚目の写真を間に,位置替えのため猛ダッシュしたことは間違いありません.

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▲891列車.遠く布原を発車して,後補機をつけてやってくる.C58 186+C58 179.
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▲891列車.今橋を通過するところ.
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▲891列車.橋を通過して大きく右カーブに差しかかる.後補機が逆に煙を流しながら走る.

朝から晴れていて天気が良かったためか,雪がどんどん溶けはじめて,いつのまにか地肌が見えるようになっていました.同じ場所とは思えないほどの風景に変わっていきます.そこで,布原-備中神代間はこれくらいにし,新見の方へ戻ることにしました.

<次回へ続く>
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